我が青春のコンピュータ


23 星空観望会2

「ジジジ..ジジジジ...ジジジジ...」

(間違いないっ!)...ヨシオ

「あの!すいません!天文部の人ですか!」(ヨシオ)

ヨシオはその学生の傍に駆けつけるなり、声をかけた。

その学生は突然のヨシオの呼びかけに多少驚きながら...

「はい。そうですけど...何ですか?」(天文部員)

「それ!...PC-1211ですよね!」(ヨシオ)

近づいてその計算機を見てみると、それは明らかにPC-1211だった。

「へぇー!キミ。あっちの方にいたのに、何で判ったの?」(天文部員)

「プリンタの音です!」(ヨシオ)

「!...ひょっとしてキミ...これ持ってるの?!」(天文部員)

「ハ...ハイ...(^^;)」(ヨシオ)

「...やぁったぁーー!! キミ! 学部は? 何回生?」(天文部員)

今度はヨシオの方が驚いた。

「そうだ!ここじゃ何だから、部室に行こう部室に...!」(天文部員)

ヨシオは引っ張られるようにして、天文部の部室へと案内された。


天文部の部室は北グランドの縁にある。

部室では女子部員たちが、コーヒーやお菓子などを用意して南グランドの観望会場に持っていくための準備をしていた。

「おーい!こっち使うね!」(天文部員)

ヨシオを誘いながら、その天文部員は女子部員たちに声をかけた。

「あれーっ!部長!南グランドじゃないんですか?」(女子部員)

(げっ!どうやらこの人は天文部の部長さんらしい...) (;@_@;)(ヨシオ)


部長さんの名前はカワイさんと言う。

物理学科の4回生だ。 地球物理学を専攻している。  厳密には部長さんではなく、去年まで部長を務めた後に天文部を引退したのだそうだ。  しかし部員たちからは、今でも部長と呼ばれているようだ。  有名な大学院への進学を目指して、現在猛勉強中とのことだった。

(み...見るからに優秀そう...!!) (;@_@;)(ヨシオ)

「そうかぁ! ヨシオクンかぁ! ヨロシク!」(カワイ先輩)

「よ...よろしくお願いします...」 (;@_@;)(ヨシオ)

ヨシオの目にはカワイさんはとても大人に見えた。  それに明るくて人柄も良さそうだし、何か物凄く知性と教養と常識がありそうだ。

(うーん...「たむら荘」の先輩達と比べたら雲泥の差だ!)(ヨシオ)

「ふーん...買ってまだ3ヶ月弱かぁ! BASICは使えるようになったかな?」(カワイ先輩)

「えっ!あの...ほんの少しだけです...!」 (;@_@;)(ヨシオ)

「地質学の分野でも色々と使えると思うよ! ところで、下宿はどこ?」(カワイさん)

一番聞いて欲しくない質問だ! ヨシオは真っ青になった。

「あっ...!あの~~.....たむら荘です...」 (;@_@;)(ヨシオ)

一瞬静寂...準備をしていた女子部員たちがこちらを振り返った。

「ははは...!たむら荘に住んでるんだ!!!」(カワイ先輩)

(もうおしまいだ...) (;T_T;)(ヨシオ)

「1回生でしょ?そりゃ大変だなぁ!」(カワイさん)

「はっ!はい!...」 (;@_@;)(ヨシオ)

女子部員たちはヨシオの方をちらちらと見ながら、小声で何か話し始めた。

(一体!「たむら荘」ってどういうトコなんだ...!!!) (;T_T;)(ヨシオ)