我が青春のコンピュータ


5 プログラムを読む

学生たちは黒板に書かれたプログラムを慌てて書き写した。

ピタゴラスの定理

10:INPUT "A=",A
20:INPUT "B=",B
30:LET C=√(A*A+B*B)
40:PRINT "C=",C

「じゃ、説明していこう。  まず、それぞれの行の先頭は数字になっているね。  これは行番号といって、プログラムはこの行番号の順番に実行されるんだ。  行番号は連続している必要は無くって、むしろこのように10毎に付けていくと便利なんだ。 なぜなら10行目と20行目の間に後で何かの処理を入れたくなったときに、 10と20の間の行番号を作って記入することができるんだ。 」

「行番号の後にはコロン(:)を打ってその後に色々な命令(コマンド)や数式を入力していくんだよ。」

(何だか分かったような分からないような(?_?)...ヨシオ)

「まず10行目と20行目だけど、ここでは計算に必要なデータをコンピュータに変数として入力しているんだ。」

(変数って、数学の変数のことかな?...ヨシオ)

「具体的には直角三角形の2つの辺の長さをそれぞれ変数Aと変数Bにキーボードから入力させているね。」

「そして30行目ではピタゴラスの定義に基づいて変数Cに計算結果を代入している。」

(うーん...ここは解らんでもない...ヨシオ)

「そして40行目で計算結果の格納された変数Cの値を表示させているんだ。」

「それでは実行してみよう! 実行するにはこのポケコンでは実行モードにしておく必要があるね。」

先生はMODEキーを押して実行モードに切り替えた。

「ヨシオ君、ここに来てRUNと入力してからENTERキーを押してみて!」

ヨシオは先生の言っていることを消化できないまんまだが、言われるようにやるしかなかった。

ポケコンの液晶画面には、実行可能な状態であることを示す > マーク( プロンプトと言う)が表示されている。  ヨシオはRUNと入力し、好奇心に満ちた面持ちでENTERを押してみた。

>RUN ENTER